今年の花粉症対策

季節の健康情報 第1回
早めの花粉症対策をおススメします

環境省の調査研究報告(最新の気象情報及び花芽調査の結果を踏まえた第2報)によれば、今年のスギ・ヒノキ花粉飛散量は昨年と比較して、ほとんどの地域で少なくなると予測されています(例年並みか例年より少なめ)。飛散開始時期は例年より東日本では1週間程度早くなり、西日本ではやや遅くなるといわれています。

地域花粉飛散量予測値(個/cm2昨シーズン比%例年比%
北海道札幌市2011678
茨城県水戸市38004346
埼玉県さいたま市15003846
東京都千代田区17003041
静岡県静岡市29002244
大阪府東大阪市21004375
鹿児島県鹿児島市10003965

しかしながら花粉症を発症するレベルの花粉飛散量ですので、早めの花粉症対策をおススメします。
そこで、花粉症について少し勉強してみましょう。

I 花粉症の原因

人間の体には、体内に侵入しようとした外敵を取り除こうとする働きが備わっています。
例えば、鼻水で外敵を洗い流そうとしたり、くしゃみによって外に吹き飛ばそうとしたりします。
ただ、人によっては、ある特定の異物が入ってくると、過剰な反応(アレルギー反応)を起こす場合があります。花粉症は、からだに侵入した花粉を、敵と認めて反応してしまう過敏な体質の人に起こる症状です。

II 花粉症の症状

鼻、目、のどなど「首から上」の症状が主ですが、熱感や倦怠感(けんたいかん)などの全身症状をともなうこともあります。
主な症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目・のど・顔や首の皮膚のかゆみです。

III 風邪と花粉症の違いについて

風邪は通常、1週間程度で治りますが、花粉症は、原因となる花粉が飛んでいる間、続きます。また、風邪の場合は、数日でねっとりした鼻汁になりますが、花粉症は、さらさらした「水っぱな」のままの場合が多いです。
その他、目のかゆみがあれば花粉症、実際に熱が出ていれば風邪の疑いが強い、という見分け方もできます。

IV 花粉症の薬

内服薬・点鼻薬・目薬等があります。

  • 内服薬

    →花粉症用あるいは鼻炎用として薬局などで市販されている薬はほとんどが抗ヒスタミン薬です。抗ヒスタミン成分としては「マレイン酸クロルフェニラミン」、もしくはそれに類似の成分(「マレイン酸カルビノキサミン」など)が非常によく使われています。薬のパッケージの成分表で確認出来るかと思います。抗ヒスタミン薬は即効性がありますがあまり効果が持続しない(6時間程度)ので、カプセル状にして効果を長時間持続するようにしたものもあります。こちらは大体12時間程度の効果が期待出来ます。

  • 点鼻薬

    →花粉・ハウスダストによるアレルギー性鼻炎などの鼻づまり・鼻水・頭痛によく効くスプレータイプです。一定量の薬液を圧縮空気により押し出す容器なので、鼻水などが逆流せず衛生的です。
    このお薬は症状が出た時に使用する対症療法薬で、漫然と長期に使用するものではありません。長期や過度に使用すると、かえって症状を悪化させることがありますので、注意が必要です。

  • 目薬

    →メインとなる成分は抗ヒスタミン薬が多いです。内服薬と同じく「マレイン酸クロルフェニラミン」が代表的な成分です。含有率は0.01~0.03%です。含有率が0.03%のものは非常に即効性が高く、注した直後から目のかゆみがあっという間に引いていくのが体感出来ます。反面効果はあまり持続せず、使い続けると効きにくくなってくるという欠点があります。予防的には使用せず、痒い時のみ点眼するのが望ましいです。
    それと最近は症状を鎮めるだけでなく、症状を引き起こす物質(ヒスタミン)が体内に放出されるのを抑えて症状を出にくくする作用をもつお薬が、薬局などで購入できるようになりました。いままでお医者さんで処方されていた効き目のするどいお薬ですので第一類医薬品に指定されています。購入の際は薬剤師にご相談ください。

V 花粉症対策

  • 花粉症と食事

    花粉症患者が増えた背景には、食生活の欧米化が潜んでいます。戦後、高たんぱく、高カロリーな輸入食材が普及しました。高たんぱく、高カロリーの食事はアレルギー体質を作ります。また、ファストフード店の進出も無視できません。特に、肉、卵、牛乳の摂り過ぎには要注意です。重要なのはバランスのとれた食事を摂ることです。

  • 花粉症によくないものに注意

    タバコの煙や刺激性の強い香辛料は、症状を悪化させる原因になります

    鼻粘膜を刺激するものは控えた方がいいでしょう。例えばタバコです。タバコの煙は花粉症で敏感になっている鼻の粘膜を更に刺激し、症状を悪化させる原因になります。
    刺激性の強い香辛料(唐辛子、コショウ、ワサビなど)も鼻の粘膜を刺激するので、できるだけ控えましょう。又、アルコールは鼻粘膜に充血を起こすため、鼻詰まりの症状が悪化します。又、抗ヒスタミン薬を服用してからアルコールを摂ると吸収が速くなり、眠気の副作用が強く出ることがあるので注意しましょう。

  • 普段から体を鍛える

    アレルギー性の病気は自律神経の働きが悪いときに症状が悪化します。どの病気にもいえることですが、体力のある人ほど回復は早いものです。普段の生活のなかで十分に体を鍛えることです。ちょっとした上り下りならばエスカレーターやエレベーターよりも階段を使ったり、少しの距離なら車に乗らずに歩くことです。ただ、これらは普段から心掛けておくもので、花粉症の季節になる寸前に始めても効果は期待出来ません。普段から心がけることが大事です。

  • ストレスを溜めない

    花粉症の原因として、ストレスが関連しています。ストレスを溜め込んでいる人の方がそうでない人よりも花粉症になりやすいのです。日々の生活の質を上げることが大事です。視点を変え、趣味や関心のある事に時間を費やすとか自分なりの楽しみ方を見つけて下さい。

  • 外出時での対策

    花粉が飛散する時間帯は大まかには午前中といえるでしょう。花粉が風に乗って市街地に来るのは3時間後がメドです。又、外出時にはマスクを使用して下さい。只、口だけを覆うマスクは効果がないということです。鼻まですっぽりと隠れるマスクをして下さい。口をガードしていても、鼻が出ていては花粉が入ってきます。そしてガーゼ製品を選んで下さい。紙製品のものよりも湿度が高いため、鼻の粘膜の保護になります。また、衛生的にも毎日取り替えることが大切です。

  • 家の中での対策

    晴れた日は花粉が大量に飛散する日です。少しでも風のある日は窓を締め切って下さい。また、洗濯物や布団は風の少ない日を選んで干しましょう。そして取り入れる時はよくはたき、花粉を落として下さい。

  • 帰宅したときの対策

    家の中に入る前に、衣類や帽子に付いた花粉をよく落としましょう。そのまま家の中に入ると、花粉を運び込むようなものです。簡単に叩く程度で効果があります。
    眉毛やまつ毛、ヒゲにも花粉は付いていますので洗顔を勧めます。外出用に着ていた服はすぐに着替えましょう。できるだけ花粉に触れないことが大切です。

(2010.02 薬剤師 小川)